フィリピン留学 番外編コラム ~南シナ海の領土問題〜

フィリピン留学 番外編コラム

~南シナ海の領土問題〜

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最終回の第3回目は、「南シナ海の領土問題」です。

「南シナ海」とワードを耳にしたことがあると思います。

しかしそれがどの辺りのことで、

どんな問題があるのか良く分からないと思う人もいるかと思います。

そして「領土問題」

日本も抱えている問題の一つですよね。

ロシアとの「北方領土」

韓国との「竹島」

中国、台湾との「尖閣諸島」などはよく知られていますね。

土地の所有権を争うことは昔から現在まで解決していないものが多く、

世界のあらゆる地域で起きている問題です。

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第1回目「2016年フィリピン巨大選挙の楽しみ方」

第2回目「フィリピンの貧困と現実」

そして、今回の第3回目「南シナ海の領土問題」

これらはフィリピンの選挙から見えた、フィリピンが現在直面する課題をとりあげています。

この機会に自分自身学ばせてもらっています。

最後のコラムもよろしくお願いします。

少しでも皆さんがフィリピンに興味・関心を持てるきっかけとなりますよう!


目次

南シナ海を6カ国が争う


南シナ海はなんと、世界でもっとも船が行き交う海域です。

北東アジアとインド洋の諸国間の交易が栄えています。

また、漁業資源、石油や天然ガスなどの海底資源も豊富です。

そして小さな島々。

それらをもとめて、周囲の6カ国が領有権を主張しあっているのです。

中国、ベトナム、ブルネイ、マレーシア、台湾、そしてフィリピンです。

中でも注目すべきなのが、中国が最も広い範囲の領有権を主張しているということです。

南シナ海のほぼ全域を囲むU字型の形状で「牛の舌」と呼ばれています。

そして、埋め立てを積極的に行っており、そのペースを速めて人工島を作っているのです。

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超大国の中国は、海の領有権の主張も広い範囲なんですね。

この時点で「中国」がキーポイントということも予測されてきますね。


フィリピンと中国


フィリピンが、その南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島で

大規模な埋め立てを進める中国に対抗し、

周辺の軍事施設の強化を急ぎ始めたのです。

なぜでしょう?

フィリピンはこれまでに、

中国の領有権の主張が条約などに違反するとして提訴してきましたが、

中国は周辺国やアメリカの批判を無視して軍事的な目的で埋め立てを強行してきたのです。

そして、フィリピン軍は中国の脅威を念頭に、

スプラトリー諸島に面した海軍基地の整備を「最重要課題」として進めることにしたのです。

また、防衛協力の強化で一致している日米やベトナムの艦船が

基地を利用できるようにすると考えているそうです。

このように中国に対して負けじと、抑止力の強化にも本腰を入れ始めたのです。

この状況に対して市民の不満は高まっています。

「向こうがその気なら・・・」と戦争に発展しないことを祈るばかりです。

そんな中、意外な人たちが行動を起こしたのです。


フィリピンの若者たちの行動


この領土問題に関する面白い記事がありました。

なんと、フィリピンの15~27歳の男女47名が2014年12月に、

南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島のパグアサ島に渡航したのです。

パグアサ島はフィリピンが実効支配している島の一つです。

島には、フィリピンの漁民らや国軍も駐在しています。

渡航した彼らの目的はなんでしょうか?

遊びにきた訳ではありません。

Facebookに写真を掲載して、「中国進出実態の事実を伝えるため」と政府への不満を訴えたのです。

領土問題を巡って、若者たちが陸路で繋がっていない所へ渡航してまで訴えたことに

とても驚いたので私は取り上げました。

また、世界中のニュースでもそうですが、

SNSの情報発信の影響力や、

それが当たり前になりつつあることが分かる記事でもあると個人的に感じました。

「自分たちで伝えるんだ」という彼らの気持ちが伝わってきます。

中国は、この彼らの行動に対して「強烈な不満」を表明したそうです。

一方フィリピン国軍は、危険なので自粛を彼らに求めていましたが、

上陸後は食料を提供し、「若者たちの愛国心を認める」と述べたそうです。

領土問題を巡る、「愛国心」と「若者の行動力」が感じられる記事ですね。

フィリピン人の暖かさや愛が伝わる記事でもあります。

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どうするドゥテルテ大統領


フィリピンの次期大統領に就くことになったドゥテルテ氏(71)は外交政策、

特にこの南シナ海問題では一貫性のない発言を繰り返していると言われています。

「現時点では予測不可能な面が多すぎる」と、関係国に戸惑いが広がっています。

それはいったいどういうことでしょうか?

過激な発言で支持を集めて見事大統領の座を手にした彼ですが、

考えがぶれているということでしょうか?

アキノ大統領は、南シナ海を「世界の貿易量の4割が通過すること」を強調していました。

つまり、中国による軍事拠点化は世界経済にも悪影響を及ぼすと考えていました。

そして、米国や日本、東南アジア諸国連合(ASEAN)などを巻き込むこと、

また、フィリピン外務省高官は「単独で交渉しても、中国を止められない」と言ってました。

このことを批判するドゥテルテ氏は、「2国間対話を重視する」とずっと宣言してきました。

しかし、フィリピンの選挙があった9日には、

「日米、オーストラリアも加えた多国間交渉が必要」と述べたのです。

その急な路線変更は誰もが戸惑ってしまいますよね。

誰にでも得意不得意分野はあるかと思いますが、

国のトップに立った以上、

国として重要課題としてあげているこの領土問題を頑張ってほしいというのが

国民の素直な気持ちでしょう。

今後フィリピンでは、どのような政治が展開されていくのでしょうか。


最後に


冒頭でも述べましたが、「領土問題」は世界のあらゆる所で起きている深刻な問題です。

戦争に発展することもあります。

解決することがとても難しく、その間に国交に悪影響が生じることもたくさんあります。

でもその反面、長い期間の国際裁判を通して解決してきた事例もたくさんあります。

一歩ずつ、一つずつ、解決していくことを願うばかりです。

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今回この3回に渡るコラムを通して、私はたくさんのことを学ぶことができました。

フィリピンというこの国に興味・関心が更に増すきっかけとなりました。

フィリピンに来て得たものが、「コラム」という形あるものにすることができました。

中々できない経験をさせてもらい幸せです。

またどこかでお会いできたら嬉しいです!

読んでくださった方、ありがとうございました。

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